Y's Note

Short stories

短編創作

空(続き)

「ここで、抜けるような空を見て、自由に飛んでいる鳥を見て、そして、飛ぶことの出来ない自分は少し嫉妬したりしているんです。」
と彼女は言う。

「鳥に、かい?」

「どこへ行くにも自由の無い私は、あの子達とは違うんだなって…。」

「こんなに、広い空を目の前にしても、飛ぶ為の翼も無ければ、一歩前へ踏み出す勇気も無いんです。」

そして、また軽く溜息が混じる。

「ちなみに、ここへはどうやって来たんだい?」
と聞いてみると彼女は顔を駐車場の方へと向けた。

俺も缶コーヒーを一口運んで、柵に両肘をついて彼女が向いた視線の方を追って見る。 視線の先には、高級そうな黒塗りの車に年輩風の男が社内で電話を取っている光景。

「あれは…?」

「お父様です。」

「お、お父様…って、あはは…俺、お呼びじゃなかったのかも(苦笑)。」

「(微笑して)良いんです、お話し相手して下さる方、あまりいないんで…。」

少しは気が紛れて良いのかな?などと都合の良い事を思ってみたり。