Short stories
短編創作
心の闇(続き)
その繰り返し。延々と繰り返すのみ。
そうして、初めて気づく事がある。
俺の原点は、向ける対象のない怒り。反吐が出るような黒い感情。…憎悪。
どうして他人の心象を気にして振舞う必要がある?
本当の自分を包み隠し続けていく事にどれだけの意味があるのか。
しかし、そんな自問自答に答えが出ることは無い。永遠にだ。
そんなことを考える事自体が無意味で無駄な事なのだ。
どうせ、弱い自分は社会に背を向けては生きていく事なんてできやしないから。
誰にも気が付かれずに消えてしまいたい、と思う事もある。
そう、まるで、目の前の視界が段々とフェイドアウトしていくように。
誰も気が付かないうちに、周りの色彩とは対照的に自分だけ色を失っていって、白黒のまま透き通っていくように。
どうして、自分で幕を引く事が出来ないのだろうか。気が付けば呆然と天井を眺めているだけの自分。
もう、こんな自分の成すべき事、役目はとうに終わっているのだ。死に損なったって後はただ、庭先の花のようにただ枯れいくのみ、残るは惰性の人生。