Short stories
短編創作
心の闇
短編。反吐が出るような黒い感情。…憎悪。
落ちていく自分。
どこまでも、どこまでも。際限無く、底無しの暗闇へ。
普段、何事も無かったかのように振舞いながら心の中では…軋む痛みと悲痛な叫びをギリギリの所で握り潰し、 踏みとどまる毎日。
妙に優しく振舞う普段の自分。
裏返すとそこには、妬み、怒り、焦り、そして憎悪。
人と一緒にいるときには笑っても見せるくせに、沈んでいく気分を止められずに舌打ちしながら、 独り自室の天井をじっと睨みつける自分。
他人に対して感情まま振舞う事なんて出来もしないくせに、他人の無配慮な振舞いばかりが目に付いて、 苛立ちばかりを募らせる自分。
表と裏。
心の闇…はまるで、長い年月をかけてゆっくりと、確実に積もっていく黒い澱の様なものに覆われていて、 汚れた腐臭を放つそれは、他人にはとても見せられないような心の恥部とでも言うのだろうか。
他人に、優しい奴だとか、いい人だとか言われて喜んで、どれだけ人前では良い子でいたいとか思ってみても、 心に積もっていく黒い澱は確実に深く積もっていき、重く心に影を落とし、何時かは自分を押し潰すのだろう。
自室の天井を睨んでいると、毎日の希薄でくだらない光景がエンドレスにプレイバックされて不快であり、眠りに落ちれば黒い海の底で溺れるような夢を見る。
そして、起きてみれば動く事も出来ずに、ただ、天井が視界に広がっているだけ。やはりそこには不快な光景が延々とプレイバックされるのみだ。