Short stories
短編創作
言葉の持つ力
短編。人の話す『言葉』には…。
老人は問い掛ける。
「言葉の持つ力ってわかるかい?」
老人は言葉を続ける。
「言葉には自分や聴いた人を動かす『力』があるんだよ。それは直接魔法のような力を持つという事では無くて、それぞれの持つ意味がそうさせるのさ。」
私は思う。
『ペンは剣より強し』は本当なのだろうか?人は言葉で切られたり刺されたりするような物理的傷害を被る事は無い。じゃあ、言葉の持つ力って何だろうか?
老人は問い掛ける。
「言霊って知っているかい?」
旧来、言葉の及ぼす影響や結果に期待して力を込めるとか、暗示、まじない、呪いのような言われ方で『言霊』だとか、 自分がそう思っている事を口にする事で本当にそうなってしまうジンクスようなもの等は特殊としても、 通常、私達が目にする雑誌や書籍、テレビやラジオ、歌等が人に与える影響は言葉が何がしかの力を持っている事を立派に証明している、という事だろうか。
言葉は本当に人を傷つけたり、ある行動の原動力になったりするんだね。 それはある意味、諸刃の剣。極端に言えば、『言葉は人を生かすことも殺す事も出来るんだ。』という事。