Short stories
短編創作
2スト野朗の憂鬱(続き)
もはや2ストは消え行くのみ。これは事実だ。俺も認めざるを得ない現実だ。
だが、まだ終わっちゃいねぇ、俺の戦いはまだ終わっちゃいねぇんだよ。
無駄にデロデロとでかい排気量でガスを垂れ流して走るサンデーライダー共なんぞは元々眼中ねぇ。
俺だってデカイモンスターバイクは乗れるさ、時速250キロを超えて300キロの世界の入り口だって1度は見てる。んなこたぁ自慢のひとつにもなりゃしねぇ。
そうさ、それだけじゃねえ。限られたスピードの中にもライダーの本質を問われる瞬間があるって事を判ってねぇ『なんちゃってビッグバイク乗り』に思い知らせてやるのさ。
お前らはビッグバイクにさえ乗ってればみんな『キリン』になれるなんて思ってねぇだろうな?
「俺のバイク300キロでるぜ!」とか自慢してねぇで、俺の目の前でその圧倒的スピードを証明して見せろよ。そんなアホはコーナーでセオリー通りにインからなんて野暮な事言わずに大外から被せてぶち抜いてやるからよ。首洗って待ってな。
そして、俺様の相棒から吐き出される紫煙のエンジンオイルを浴びながら敗北感にまみれるがいい!
ワハハハハッ…ハァ(鬱)。